針屋商店の電子書籍の出版物「電脳世紀東京ネイショニストワルツKindle版」の出版スケジュールとしての校正作業とアップデート作業が完成しました。十二年近く昔にインターネットで発表した作品のため、時代の要請や、内容、勉強が進んだ部分は、容赦なくアップデートしています。営業活動としてのプロモーションや販促の勉強をしながらの校正作業でした。本格ミステリーの密室殺人の要素もSF風に取り込んだ作品です。解決編までに証拠は全部揃えてあるので、謎解きに挑戦してください。ヒントは「登場人物紹介」「設定資料集」の中にも在ります。一応、小説の本文の中だけで犯人達に辿り着けます。この「電脳世紀東京ネイショニストワルツ」の主人公は、警視庁の殺人課の刑事である門倉耕太郎と行政企業ビューロクラシー社の「すぐやる課」勤務の真屋結貴の二人です。耕太郎はパートナーのアンドロイドのレイナと、国家主義者の女子大学生、藤田彩が殺された殺人事件の捜査を開始します。結貴は後輩の牛島来美と共に、違法で小規模なネオウヨ国家の解体の仕事を開始します。文章の全ては、私の人力で、生成AIの使用は行っていません。当然校正も人力です。根性で書いて校正を行っています。
では、画像生成AIに書いてもらった美麗なイメージ・イラストと、小説の出だし部分を営業活動で掲載しましょう。
「電脳世紀東京 ネイショニスト・ワルツ」山田夢幻
前文
全世界は、国家という枠組みを失い、アソシエーションが全てを支配する時代へと移っていった。
だが、世界は問題を抱えていた。
宇宙物理学の発達により、恒星間航行が実現し、人類は新たに発見された地球型の惑星セカンドへと移住を開始した。
そして、電脳世界に構築された、新たな電脳居住空間へバーチャル・オンし、現実を拒絶する人々バーチャライダー。
遺伝子操作に、よって生み出された能力拡大種エクステンダー達の人類への反乱。
高まるテクノロジーと、人間としての尊厳の境界線が曖昧になる時代が訪れていた。
アソシエーションが世界を支配する時代は、複雑な時代だった。
幾つもの複雑さが、せめぎあい圧力となって犯罪が生み出される時代。
東京の警視庁に勤める門倉耕太郎(カドクラ・コウタロウ)と、行政企業ビューロクラシー社に勤める真屋結貴(サナヤ・ユキ)は、この時代を生きる二人の人間である。
第1章 すれ違い
耕太郎は、花屋で買った、花束を持って、姉の弥生が入院している病室に入っていった。
姉の弥生(ヤヨイ)は警察の職務中に、犯罪者が放った銃弾を頭部に受けたがフルメタル・ジャケット弾による貫通銃創だったためと、重要な血管や神経を傷つけなかったために一命を取り留めた。
だが、弥生は記憶喪失に陥っていた。
快活で元気だった、姉の面影は、今は無くなっていた。人が変わったように言葉数が少なくなって、ボーッとしていた。そして、赤ん坊の様に無邪気にニコニコしていた。
耕太郎は病室の脇に在る花瓶から、先週持ってきた花を取り出した。そして今日買った、花束のプラスチック・フィルムの包装を解いてを花瓶に生けた。
耕太郎の父親も母親も警察官で、仕事が忙しくて、娘の弥生の見舞いには中々来られなかった。
比較的勤務シフトが安定している、刑事の耕太郎は毎週、花を届けることにしていた。
弥生は花が好きだったわけでは無いが、耕太郎は他に出来ることを思いつかなかったから、毎週花を買って持っていくことにしたのだ。
耕太郎は気がついた。
誰か来たのか……。
病室にサイド・テーブルにはシェスタ堂のロゴが入った洋菓子の紙箱が置いてあった。
耕太郎は一人呟いた。
「結貴(ユキ)さんが来ていたんだ」
耕太郎は、姉の弥生の親友である真屋結貴(マヤ・ユキ)が、週に何回も見舞いに来ていることを知っていた。そして結貴は姉の弥生が好きな、シェスタ堂の洋菓子を買って持ってくるのだ。
「ゆ・き…」
弥生は耕太郎の言葉を、なぞるように言った。
耕太郎は嬉しくなって言った。
「姉さん、喋れるようになったのかい。リハビリと、幹細胞治療の成果が出たんだ」
弥生は、ボーッとした顔を耕太郎に向けて赤ん坊の様に無邪気にニコニコしていた。
耕太郎は言った。
「少しずつ良くなるよ。先生も、記憶を取り戻す可能性は、三十パーセントは在るって言っているんだ。姉さん。オレは、元の姉さんに戻れるって信じているよ」
そして病室を出て行った。
携帯端末で、結貴に電話を掛けた。
耕太郎は結貴に電話で言った。
「結貴さん、弥生姉さんが喋ったんだよ。「ゆ・き」って喋ったんだ……」