無住心剣術道場第12回「演繹法と帰納法を使った思考実験の方法」今回も、無住心剣術の精神で、人類のために、針屋忠道難問へ突貫します。
私の思考実験の方法は単純です。
使う方法は、演繹法と帰納法です。
ここで、議論の前に、演繹法と帰納法の定義をしましょう。
1、帰納法は、個々の具体的な事例から一般的な原理や法則へ向かっていく思考法。
2、演繹法は、一般的な原理や法則から、個別の結論を導き出す思考法。
と定義します。
この前提から。思考実験の方法を考えていくと。
例として、「無住心言術道場」で取り上げた、遺伝性疾患の完治を目指す、遺伝子の修復技術で、ナノマシンとして、ウイルスを改造して使う方法を用います。
1、まず、帰納法の前提となる現在の、分子生物学の科学知識が在ります。
2、そして、演繹法を行うために必要となる前提である。遺伝性疾患の完治が出来ている状態という「演繹法を行うために必要な「前提となる仮定」」が在ります。
この二つの前提から思考実験を行っていきます。
ですが、帰納法を行う際に前提となる現在の分子生物学の科学知識と、演繹法を行う際に必要な遺伝性疾患の完治という技術が完成している前提の仮定の間には、空白となる、科学知識が存在します。
この目標となる、遺伝性疾患の完治が出来ているという演繹法の前提を行う際の仮定には、科学知識の欠如が存在します。
同時に反対方向から帰納法を行う際に必要となる前提である、現在の分子生物学の科学知識から、空白となる科学知識を考えた場合。ブレークスルーとなる科学知識や技術が必要になります。
先天的な遺伝性疾患の完治を目指すためには、変異型の遺伝子を、野生型に修復する必要があります。
この場合、遺伝性疾患の完治を目指す場合。変異型の遺伝子を持っている対象者の、細胞の遺伝子を、ほぼ全ての細胞で、野生型に入れ替える場合の技術を考えます。
この場合、人間の手作業では時間的にも無理があります。
SFではナノマシンの考え方が昔から在ります。
このような、ナノマシンの考え方は、様々なSF小説や、映画、アニメ、ゲーム、SFドラマなどで、多く語られています。
SFでは、演繹法的に、「ナノマシンの技術などが、完成している状態を仮定の形で考えた前提」で、物語を進めていく場合が多いです。
そして、アグロバクテリウムのように、細菌をナノマシンとして利用する方法が現在の分子生物学では完成しています。アグロバクテリウムを使って、遺伝子を組み替えて、目的とする、遺伝子組み換え植物の開発に使う方法が完成しています。
このアグロバクテリウムの知識を、前提として、帰納法的に考えた場合。ウイルスをナノマシンとして遺伝子の組み換えに使うことは、現在の分子生物学の科学知識の前提から可能です。
これが演繹法と帰納法を使った、私の思考実験の方法です。
もっと、洗練された、思考実験の方法も、考え出されると思います。
勉強をしないで、この思考実験の方法だけを知っていても、あまり意味はありません。
勉強して得た学問の知識は必要になります。
ですが、現在、生成AIを使って学問の勉強が出来る時代です。
昔だったら、図書館の文献や書物を探す時間が、検索エンジンと、生成AIを使えば大幅に短縮されます。
知識の集積と一般化が、生成AIの登場で加速しています。
良い方向に時代が向かっていくと考えられます。
今回は、演繹法と帰納法の定義と、アグロバクテリウムの説明では、生成AIのCopilotで確認と、アグロバクテリウムの知識の間違いを修正しています。