無住心剣術道場第10回「政府の金融政策と市場が、どのように共存するか」です。今回も、難問ですが、針谷忠道、突貫していきます。
自由で開かれた市場経済では、市場の参加者は、「政府」だけで無く、「企業」と「家計」です。
この原則から考えていくと、金融商品の価値の変動は市場の中で、必然的に生じます。
この「市場」と対立する考え方を、「政府」が持たずに、共存する考え方が必要だと考えられます。
ですが、一国内の「政府」「企業」「家計」だけが「市場」を形成する訳では在りません。現在のグローバル化以降の、国際経済では、当該国と外国である世界の国々の「政府」「企業」「家計」が、国際的な「市場」を構成しています。
この場合、日本を例に出せば、日本一国の「政府」「企業」「家計」だけが利益を得るという考え方は、難しいと思います。
天才数学者、天才物理学者にして、ゲーム理論の創始者で在る、フォン・ノイマンは筑摩学芸文庫の「ゲームの理論と経済行動」全三巻の中の終盤で、n人型のゲームの説明を行っています。
現在のグローバル化した世界の中では、参加者が5人以上のn人型のゲームが考えられます。
この場合には、変数n=(nはグローバル化した世界に組み込まれている国家の数)です。
単純に、世界全ての「政府」、世界全ての「企業」、世界全ての「家計」、の組み合わせを考えれば膨大になりますが。
情報科学である、コンピュータ・サイエンスでは、計算量の節約が、昔の少ないコンピュータ・リソースの時代には考えられていました。
日本の「政府」の場合は、国際的な金融市場の中で優先度の高い国々(金融商品の取引のパーセンテージで上位を占める国々)の、「政府」「企業」「家計」との組み合わせを、1カ国ごとの個別に絞れば良くなります。これは、計算量の節約です。
金融商品単位で、取引のパーセンテージで上位を占める国々をカテゴリー化することも可能です。
ですが、世界各国の中央銀行が発行する法定通貨が、電子通貨に変化した場合、事情は変わります。この事情は、針屋書店の出版物のパンフレットである「情報処理経済学」「電子政府化」で語られています。
日本の「政府」が、どのように利益の最大化を考えるのかが課題です。
日本では、グローバル化した、国際的な金融市場との繋がりで、市場の参加者である、「外国の「政府」「企業」「家計」が構成する、「市場の参加者」の利益」も、ある程度配慮する必要があります。
金融市場で、生計を立てている人達の、収益も考える事が必要です。
ですが、基本的には、自国の金融市場の安定化が、日本を含めた、世界各国の「政府」には必要だと考えられます。
世界各国の金融政策は、基本的には「市場」の安定化と、経済の発展を目指すと考えられます。
どのように、日本の「政府」も含めた、世界各国の「政府」が、金融市場と、共生し、共存共栄を成し遂げるのかは、今後の重要な課題であると考えられます。
日本の場合では、現在は、金融政策だけで無く、社会の再生が必要です。
ですが、日本も、グローバル化した世界の中で、日本文化の在り方の方向性を見失っています。
「無住心言術道場」では、このような、経済と日本文化の複合的な問題なども論じていきます。
では、今回は、この辺りです。